【扇町キネマ】 インディアンムービーウィーク2023
国語が存在せず、地域ごとに公用語が並立する多言語大国インド。
その映画産業もまた、言語ごとに幾つにも分かれ、それぞれが独自の映画的風土をもち、各言語を母語とする観衆から厚い支持を得ています。
インド映画の特集上映「インディアンムービーウィーク」は、日本未公開の作品を中心に、映画ファンの方々にぜひご覧いただきたい作品を集め、ご紹介します。
公式サイト https://imwjapan.com/
※第七芸術劇場との共催となります。
※扇町キネマでは1/12~19の開催となります。
《上映作品》
『狼と子羊の夜』
(原題:Onaayum Aattukkuttiyum)
©︎Lone Wolf Productions
2013年 / タミル語 / 141分
監督 ミシュキン
出演 シュリー、ミシュキン、アーディティヤ・メーノーン
タミル・ニューウェーブのノワールの極北に震えよ!
インド映画の賑やかなイメージを覆す異色のクライムスリラー
医学生のチャンドルは、ある夜街路で銃創を負って倒れている男を助け、自宅に運んで手術をする。
しかし翌朝男の姿は消えていた。
男はウルフという名の殺し屋で、チャンドルは犯罪者を匿ったとして警察の尋問を受け、協力させられる。
その後ウルフがチャンドルに接触してきたのを知った警察は、彼に銃を渡し、ウルフを殺すよう命じる。
ほぼ全編が夜の街で展開する異色のクライム・スリラー。
『Rラージクマール』
(原題:R… Rajkumar)
©︎Eros Worldwide ©︎Next Gen Films ©︎Rough Copy Films
2013年/ ヒンディー語/ 146分
監督 プラブデーヴァー
出演 シャーヒド・カプール、ソーナークシー・シンハー、ソーヌー・スード
恋と死闘のミュージカル!
ダンスが楽しいアクションロマンティックコメディ
風来坊のロミオ・ラージクマールが流れ着いた田舎町は、麻薬王とマフィアの対立で荒れていた。
ロミオは麻薬王の手下となる。
ある日銃撃戦に巻き込まれた女性チャンダーを助けたことで、ロミオは彼女に好意を抱く。
だが、麻薬王がチャンダーを見初めて彼女の意思を無視して娶ろうとしたことから、ロミオは麻薬王に対峙する。
伝説級ダンサー&コレオグラファーのプラブデーヴァー監督作品。
『後継者』
(原題:Varisu)
Varisu ©Sri Venkateswara Creations ©PVP Cinema
2023年 / タミル語 / 169分
監 督 ヴァムシー・パイディパッリ
出 演 ヴィジャイ、ラシュミカー・マンダンナ、サラトクマール
天才肌の末息子、家族の危機に登場!
ヴィジャイ主演のファミリードラマ
大企業オーナー一族が住む屋敷に、当主と衝突して家を出ていた三男ヴィジャイが戻ってくる。
彼は事業を引き継ぎバラバラの家族を結びつけようとする。
ヴィジャイ(マスター 先生が来る!)主演、2023年1月公開のヒット作。
『2つの愛が進行中』
(原題:Kaathuvaakula Rendu Kaadhal)
©Rowdy Pictures ©Seven Screen Studio
2022年 / タミル語 / 151分
監 督 ヴィグネーシュ・シヴァン
出 演 ヴィジャイ・セードゥパティ、ナヤンターラ、サマンタ
多重人格?恋愛詐欺?三角関係の行方・・・
2人の妻を持ったムルガン神をテーマにしたロムコム
昼はタクシー運転手、夜はクラブの黒服として働くランボー。
それぞれのシーンでカンマニ、カティージャという女性と知り合い、奇妙な三角関係に陥る。
『俺だって極道さ』のヴィグネーシュ・シヴァンが監督し、ヴィジャイ・セードゥパティ、ナヤンターラ、サマンタ共演のシュールなロマンス。
『ジッラ 修羅のシマ』
(原題:Jilla)
©Supergood Films
2014年 / タミル語 / 176分 / PG12(殺傷・出血の描写あり)
監督 R. T. ネーサン
出演 モーハンラール、ヴィジャイ、カージャル・アグルワール
マフィアの右腕が警察官に!
ヴィジャイ主演のギャングコメディ。ダンス多め、コメディ要素も多め。
マドゥライを支配するマフィアの首領シヴァンに育てられ、その右腕として地域を仕切るシャクティのあだ名はジッラ(縄張り)。
ある時シヴァンは、新しく着任した警視総監から犯罪集団の取り締まり強化を宣言される。
危機感を感じたシヴァンは嫌がるシャクティを、介入抑止のため警察官にさせる。
だがそれは、親子断絶の始まりだった。
タミル語映画界の人気俳優、ヴィジャイ(ビギル 勝利のホイッスル)と、〝完璧俳優〟と称されるマラヤーラム語映画界の大スター、モーハンラール(ザ・デュオ)が共演。
ギャングものでありながら、コメディ満載、ダンスもあり、家族のドラマにほろりとする。
京都や鳥取で撮影されたソングシーンが含まれる。
『’96』
(原題:’96)
©Madras Enterprises
2018年 / タミル語 / 158分
監 督 C.プレームクマール
出 演 ヴィジャイ・セードゥパティ、トリシャー・クリシュナン、アーディティヤ・バースカル、ガウリG.キシャン、ジャナガラージ
叶わない恋愛を描いたノスタルジックな純愛ドラマ
主演のヴィジャイ・セードゥパティの人気が高まっているため、アンコール上映。
1996年に高校を卒業したクラスメートが20年ぶりに集う同窓会。
旅行写真家のラームは、初恋の女性ジャーナキに再会して心が揺れる。
宵の口から夜明けまでのチェンナイの街を舞台にした2人の対話。
タミル映画の賑やかなイメージを覆すノスタルジックな純愛もの。
ヴィジャイ・セードゥパティの不器用な男ぶり、トリシャーの涙目、主演2人の演技が圧倒的。
夜のチェンナイの街路の詩情溢れる描写。
IMW2019上映作品。
『お気楽探偵アトレヤ』
(原題: Agent Sai Srinivasa Athreya)
© Swadharm Entertainment
2019年 / テルグ語 / 148分
監 督 スワループ R. S. J.
出 演 ナヴィーン・ポリシェッティ、シュルティ・シャルマー
考え抜かれた脚本が見事な探偵ドラマ
IMW2020上映の人気作品
アーンドラ・プラデーシュ州の小都市ネッルールで探偵業を始めた若いアトレヤ。
レイプ殺人事件を調査するうちに、線路脇で身元不明死体が多数見つかるという別の怪事件に絡めとられていき、彼自身が容疑者となってしまう。
『きっと、またあえる』で重要な脇役を演じたナヴィーン・ポリシェッティが主演のユーモア・クライム映画。
笑わせるだけではなく、インド特有の事情に根差した犯罪の恐るべき実態についても鋭く切り込む、考え抜かれた脚本が見事。
IMW2020上映作品。
『マジック』
(原題:Mersal)
©Sony Music India, ©Sri Thenandal Films
2017年 / タミル語 / 169分 / R15+(肉体損壊の描写あり)
監 督 アトリ
脚 本 アトリ、V・ヴィジャエーンドラ・プラサード、ラマナギリーヴァーサン
出 演 ヴィジャイ、サマンタ、カージャル・アグルワール、ニティヤ・メーノーン、S・J・スーリヤー、サティヤラージ
医療をめぐる社会派スリラー!
インディアン・シネマ・ウィーク2018上映の人気作品
チェンナイの低所得者層地域で開業するマーラン医師は、低額で患者を診る人徳者で、国際会議でも表彰される。
しかしその周りで医療関係者の不審死が起こり、警察は彼を拘束して尋問する。
そこで浮かび上がったのは、ヴェトリという名の彼と瓜二つの奇術師だった。
V・ヴィジャエーンドラ・プラサード(『バジュランギおじさんと、小さな迷子』)が脚本に加わり、娯楽性がある社会派スリラーに仕上がっている。